DTM最強ノートPCとしてASUS ROG Zephyrus M16を購入

M3お疲れ様でした。制作に一段落ついたので、新しくDTM用のノートPC ASUS ROG ZEPHYRUS M16 を買いました。 昨日届いて一通り環境構築を終えたので、購入した理由と第一印象を書きます。

スペック

• 価格 349,800円 （税込）
• 型番 GU603ZW-I9R3070TIE
• カラー オフブラック
• OS Windows 11 Home
• CPU インテル® Core™ i9-12900H プロセッサー
• メモリ 32GB DDR5-4800
• ディスプレイ：16型ワイドTFTカラー液晶　ノングレア　2,560×1,600ドット (WQXGA) (165Hz)
• GPU NVIDIA® GeForce RTX™ 3070 Ti Laptop
• SSD 2TB (PCI Express 4.0 x4接続) 空き1スロットあり
• サイズ 幅355mm×奥行き243.5mm×高さ19.9～22.3mm
• 質量 約2.05kg

買った理由

1. 最強のCPUを搭載している

INTEL i9 12900H を搭載してます。下記のCINEBENCHによるノートPCの比較では現時点でマルチコア・シングルコアともに最強です。

https://thehikaku.net/pc/asus/21ROG-Zephyrus-M16.html#paformance

Ryzen 6800H搭載のZephyrus G15との差額を考えるとウーッとなりますが、最強という満足感を買いました。ついでにGPUもNVidia RTX3070Tiなので最強というほどではないですが、十分素晴らしいものです（最強が欲しければASUS Scar15がおすすめ）。

2. DPC latencyが短く安定している

ベンチマークやスペックに現れない、Macと比べたWindowsの最悪なところです。これをよく調べずに買うと超絶後悔することになります。

WindowsノートPCはドライバの出来がマチマチで、カーネル(OS)が割り込んできてオーディオ処理が遅延した結果音がブチブチ途切れることがあります。これはメモリやCPUといったハードウェアとはほとんど無関係に、多くは出来の悪いドライバによっておこります（DDR5やi9を積もうが関係ないし将来のアップデートで破綻することもある）。現時点でWin11ゲーミングノートの中では、安定した性能を出しているのははASUSのM16とScar15だけです。メーカーでいうとこれまでRazerは概ねlatencyが低い印象がありましたが、Win11では苦戦しているようですね。

This is the second Windows 11 gaming laptop we’ve tested this year that didn’t fail the latencymon test. “ASUS Zephyrus M16 (2022) Review - A Thin 16” Gaming Laptop!" https://youtu.be/6Shhp6JOC8c?t=540

I think this the first gaming laptop we’ve tested this year that didn’t fail the latencymon test with Windows 11. “ASUS Scar 15 (2022) Review - Most Powerful 15” Gaming Laptop!” https://youtu.be/VSVfBObYFE4?t=480

実際に私自身が作ったFLプロジェクトで一番重たかった Cyanos という曲を再生しながら LatencyMon を"サイレント"モードで動かしてみましたが、全然余裕でした。

LatencyMonはとりあえず緑色のメッセージがでていれば余裕です。96kHzで再生するなら10μsec/sampleなのでオーディオIFのバッファ以上たとえば1000μsec(=100サンプル)くらい別プロセスにもってかれると音が途切れます。なおファームウェアは2022/3/9リリースのGU603ZW.306 (10.1.2.306)を利用しています。

3. ASUSの管理アプリが優秀

先のスクリーンショットでもありましたが、ASUSのArmoury Crateというソフトでファン速度や電力などの設定ができます。これはDTMにおいては「録音してるからファンとめたい」「サーマルスロットリングしてるからファンまわしたい」という二大欲求を叶えるために不可欠な機能です。前者の願望を叶えるべくファンレスのM1 Macbook Airを使ってましたが結局熱くなって後者の欲求が生まれました。

手動でも設定できますが、普段はサイレントモードを使っています。

MyASUSという別アプリも便利で、Lenovo Vantageみたいな感じで各種アップデートやバッテリーの長寿化のための上限を設定できます。経験的にも心理的にも上限設定しないとバッテリーの劣化が凄まじいので、これがないノートPCはもう使うことが出来ません(泣)

4. 2560x1600 165Hz液晶

縦長な2560x1600はDTMするときは作業画面が広くて最高に便利です、じつは以前使っていたApple MacBook Air M1も全く同じ解像度です。遅延も3msと非常に短く、最初はDTMで画面の反応なんかどうでもいいと思ってましたが、一旦外付けディスプレイに戻ってみると残像や反応の悪さにイライラしました（一度上げた生活水準は下げられないというヤツですね）。画面の色味はほとんど同じですが、M16のほうが明るくて16inchなので大きいです。ただしHiDPI対応はMacのOSやアプリのほうが概ね優秀です。

5. ノートPCとしての完成度

その他みたいな枠です。

• タッチパッドがでかくて良い。マルチタッチ(1-4点)にも対応してるが、感度はMacほどではない。殆どのゲーミングノートは筐体のデカさの割にタッチパッドが小さいです。
• キーボードがでかくて良い（円マーク以外）、矢印キーやDEL、Ctrlなどの配列がまとも。LenovoとASUS以外のゲーミングノートはここが終わっています。
• USB-C PD対応。45Wの小型GaNアダプタでも充電できました。純正のACアダプタは700gもありこのPCしか充電できないので持ち歩きたくはないです。
• Thunderbolt4対応。帯域的にはUSBで良いと思うのですが、最近のオーディオIFにも普及してきたので一応あると安心。Ryzenモデルには基本的にないです。
• 過度な発光パーツがない。嫌いではないですが、店頭で見たStrix Scar 15は光るパーツがチープな感じがして敬遠してしまいました。
• 画面を180度開くことができる。画面がスピーカーの音を遮らないようにミックスの最終確認などで倒したいことがあります。Thinkpadとかもそういうところがいいですよね。

イマイチなところ

• ASUSのZenbookを過去に使ってましたが、とにかくよくマザボが壊れました。修理しても修理しても壊れるので、信頼のあるマザボメーカーとは思えなくなりました。このトラウマで最後まで悩みましたが、今回はマザボにも名前を冠しているROGなので品質が違うことを期待してます。キャンペーンで3年間のなんでも修理保証がついてました。
• ASUS Storeの梱包がよくないです。無駄にでかいダンボールにまるめた紙二個を緩衝材としたスカスカな梱包で佐川が配送するという一番嫌なパターンでした。平日しか営業してないのはホワイト企業で良いなと思いますが。
• メモリ片側がハンダ付けされていて実質48GBが上限。64GB積めません。
• タッチパッドの二点クリックがときどき反応しない。奇妙なことにクリックではなくタップすれば確実に認識するので慣れる必要があります。私は普段マウス使ってるので問題ないですが。
• タッチパッドの上にThinkpadみたいな独立した左右スクロール用マウスボタンが欲しかった。
• スピーカーの音がいまいち。DTMerは外付けのスピーカーやヘッドフォンを使うので問題ないでしょう。
• McAfeeとかi-Filterといったカスソフトが入っている。マージンもらってるんでしょうがブランドイメージを毀損してるので1万円値上げしても良いので入れないでほしい
• Windows11の初期設定でローカルアカウントを作れない。多くのDTMソフトは国際化の面でカスなので（ユーザ数が少ないので仕方がない）、記号だったりAscii以外の文字が入ってるパスが存在すると異常終了します。ついでにプログラミングとかする人は$HOMEやsshのために覚えやすい名前にしてる人が多いと思います、MSアカウントで作られると意味不明なユーザ名が作られるので本当にやめてほしい。それ以外はとくに不便ではありませんでした。

今回は4月末までの購入で30日間返品保証キャンペーンもあるようなので、来月また返品したのかどうか記事を出そうと思います。